Reframing|絵画再考
Reframing|絵画再考
2025.03.22 – 2025.04.06
12:00-19:00 月・火 休廊

日本橋茅場町の現代美術ギャラリー、ARTDYNEはこの度、3月22日(土)~4月6日(日)の期間、ARTDYNEが注目する若手作家、松田菜優子・小野三月・イケナナ・野田幸希・後藤瑞穂・坂田桃歌の6名によるグループ展「Reframing|絵画再考」を開催いたします。
Reframingとは直訳すれば「再構成」となりますが、ある枠組み(Frame)で捉えられている物事を、その枠組みをはずして別の枠組み、別の視点や価値観で見直し(re-frame)、価値を変えていくという心理学用語です。一方、現代美術とは、現代社会においてとかく硬直しがちな価値基準に対して疑問を呈し、新しいものの見方の可能性を示すものであり、日々の生活とは一見何のかかわりも持たないように見えますが長期的・歴史的に社会に遍在する作用のある存在です。
今展に参加する6名の作家は全員が21世紀生まれとなり、旧来からの枠組みである絵画という手法を使いながら、それぞれの新しい価値観を生み出そうとしています。彼らの思考とその表象の一端をご高覧いただければ幸いです。
松田菜優子|MATSUDA Nayuko

絵を描くことで私は私を絵の中におとして、私を知ることができる。それは曖昧なものだけれど、私を安心させてくれる。
2002年、愛知県生まれ。2025年、武蔵野美術大学造形学部油画学科油絵専攻卒業。
主な展示
2023
「針一本足りないために」二人展 (gallery33 south)
2024
東京展受賞作品展(ギャラリーセイコウドウ)
大野芸術祭レジデンス
涼しい時間Ⅱグループ展 (鈴画廊)
第50回美術の祭典東京展グループ展
武蔵野美術大学 2025芸術祭
「みずたまりそれはきっと月」
「きのうみた月」(レトロ雑貨つきのとり)
春のあしおとⅡグループ展 (鈴画廊)
In my own wayグループ展(名古屋市民ギャラリー矢田)
受賞歴
2022
はたちのりんかく入選
2023
五美大交流展 丸岡賞
第49回美術の祭典東京展奨励賞
2024
FACE 展入選
五美大交流展 東京展特別推薦賞
小野三月|ONO Sangatsu

日常的に考えていることを絵に表現し、場面と場面の境界が曖昧につながり、思考が広がっていくような絵画を制作している。
自分が主観的に捉える世界は、1枚の画像や1つの光景で表せる単調なものではなく、複雑で重層的なものであり、自分が外界で感じたことや考えたことが集積してできている。例えば、都心は人が沢山いる、柿は美味しい、イルミネーションは何か気になる、争いが無くなればいいのに、など、外界に対して日常的に自分が思う小さなことが全て合わさったものが、自分にとっての世界のあり方だと私は考える。私はその主観的な世界のあり方を絵画表現で鑑賞者に見せようと試みている。
2001年、神奈川県生まれ、東京都在住。
2024年、武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業、同年、武蔵野美術大学大学院修士課程日本画コース入学。
現在、武蔵野美術大学大学院修士課程1年在学中。
主な展示歴
2025
グループ展 「もう一つの世界を歩く」(DDD ART 凪 / 東京)
4人展「Tell Me a Bedtime Story」 (UNPEL GALLERY / 東京)
2024
尾長ゼミ展「異時同時」 (武蔵野美術大学鷹の台キャンパス / 東京)
個展「裏庭に鰐(ワニ)」 (武蔵野美術大学芸術祭/東京)
2023
二人展「MUYAMI²」(ギャラリーTEN / 東京)
受賞歴
2025
「公募ー日本の絵画2024ー」入選 (永井画廊 / 東京)
2024
「2023年度 武蔵野美術大学卒業・修了制作展」 日本画学科研究室賞 受賞
「ギャラリーへ行こう2024年」 入選(数寄和/東京)
「Gallery美の舎 学生選抜展2024」 優秀賞受賞 (Gallery 美の舎/東京)
2023
「第58回神奈川県美術展」入選
イケナナ|IKENANA

卵や砂糖、小麦粉にバターをたっぷり使った柔らかい生地をひとつひとつ型から抜いて、私の好きな形に仕上げて行く。だけど、焼きあがったクッキーはほんの少しの衝撃で欠けてしまうし、いつかは食べられなくなる。結局、美味しければ何だっていいのかもしれない。それがどんな形だったとしても。例えば「幸せな瞬間」と「不安な気持ち」。日常に溶け込んでいるそんなジレンマの中には「かがやき」があって、それが私たちを生かしているのかもしれない。その「かがやき」を可視化することで、不安定で刹那的な生命に対しての意義や執着について迫りたい。
「なにかが起こってもきっと大丈夫」
「私たちは生きなければならない」
2003年、福岡県北九州市生まれ。2025年、九州産業大学博士前期過程入学。
現在、九州産業大学博士前期過程在学中。
個展
2024
「phase」art space tetra(福岡)
主なグループ展
2025
「福岡・関西交流展」アトリエ三月(大阪)
2024
「PAYING HOMAGE」Artist Cafe Fukuoka(福岡)
「clear」2人展 / Artist Cafe Fukuoka(福岡)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024」 福岡国際センター(福岡、九産大ブース)
野田幸希|NODA Koki

デボン紀の水溜りから、 私たちはトラックに乗って街灯を作り、 家に帰って映画を観ます。 街灯は雑草を照らしました。 そういう大雑把に千切られた風景を繋いだり角を丸くしたりするために、 手を動かします。
2005年、東京都生まれ。2024年東京造形大学絵画専攻入学。
現在、東京造形大学絵画専攻在学中。
後藤瑞穂|GOTO Mizuho

日常的な仕草や道具、果物をモチーフとして、身体が戦争や差別といった大きな暴力に強く影響されることについて描いている。
最近は東アジアへの加害の歴史と、応答責任についてリサーチしている。
2001年、東京都生まれ。2023年、女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻卒業。
同年に女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻洋画研究領域入学。
現在、 女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻洋画研究領域在学中。
個展
2024
「アボカドを拾う、本を持つ」下北沢アーツ(東京)
グループ展
2025
「Greeting」京都 蔦屋書店(京都)
「STILL」BEAK585GALLERY(大阪)
2024
「Group Show」日本橋三越コンテンポラリーギャラリー(東京)
「パレスチナ あたたかい家」NAMNAM SPACE(神奈川)
「Snapshot」ARTDYNE(東京)
「The party」下北沢アーツ(東京)
2023
2人展「遠い記憶に、ふたしかな横顔をとらえて」 AYUMI GALLERY(東京)
「EPIC PAINTERS VOL.12」THE blank GALLERY(東京)
「Coil展」art space kimura ASK?P
第58回神奈川県美術展 神山財団賞
IDEMITSU Art Award 2023 学生特別賞
坂田桃歌|SAKATA Momoka

故郷での生活を思い出しながら、その記憶をもとに「地図のようなもの」を制作する。同じ時代の同じ場所を何度も描き、少しずつ更新していくこの作業は、道を歩きながら小さな落し物を探しているような感覚に近い。 また、2024年の芸術祭をきっかけに、自身の記憶だけでなく、地域の方々から記録にも残されていない言い伝えや暮らしの話を直接聞くことで、制作を進めている〉
2001年、大分県に生まれる。2023年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業。
現在、都内にて制作活動を行う。
主な個展
2024
「のうそん公園に集合ね」RISE GALLERY(東京)
2022
「いらないと言い切れないこと」スペースくらげ(神奈川)
主なグループ展
2024
「南飛騨Art Discovery」南飛騨健康増進センター 一帯(岐阜)
2023
「宇宙を見た私の方が優れていると思った」スペースくらげ(神奈川)
「アートアワードトーキョー丸の内」行幸地下ギャラリー(東京)
主な受賞歴
2022
「FACE展2022」入選
2019
「シェル美術賞2019」入選