馬嘉豪個展「Involution society」 MA JIAHAO

2021.04.29 – 2021.05.16

馬嘉豪個展「Involution society」 MA JIAHAO

Dust Shoulder Rubbing Back”, 2021, 17.0 x 10.4 x 0.5 cm, plastic figure model, enamel paint

ARTDYNEでは2021年4月29日(木)から5月16日(日)まで、馬嘉豪個展「Involution society」を開催いたします。

 

第4回CAF賞入選、第22回岡本太郎現代芸術賞入選、そして多摩美術大学卒業時の福沢一郎賞入賞。

日本国内で個展開催2回、グループ展にも精力的に参加するなど、着実にキャリアを積み重ねている若き気鋭の美術家、馬嘉豪(マ・ジャホウ)は、1996年、中華人民共和国内の西安(古代の首都である長安)に生まれました。彼は日本に留学後、一貫して個々と集合体の間に横たわる問題に取り組み、また先日行われた2人展では、自身を「観光客」の立場に落とし込み、日中の文化の差異に切り込みました。

 

馬嘉豪は今回、新型コロナ流行の影響で人々に内巻き志向が進む中、「他人より優れていなければ己の存在が危うい」という人間の潜在意識に着目しました。人々の無意識から生まれてくる「優れていたい」思考はすなわち、国家間競争に容易に融合するものであり、無為な競争や諍いをもたらすと同時に、戦争の発端にもなっています。今展は彼の代名詞でもあるプラスチック製の小さな人体模型を使用し、胴体をもがれ密に植え込まれた人型、および圧縮され変形した人型の集合体などによって内巻きに混迷する現代社会の再現を試みるものです。立体やプレート作品を含め約10点を展示いたします。ご多用中とは存じますが、ぜひご高覧いただければ幸いです。

 

※1.今展の入場方式のご案内

今展覧会では「Involution society(内巻き社会)」を表現するため、会場への立ち入りは一人ずつといたします。
他に観客がお待ちの場合は5分間の制限時間を設けます。会場入り口で時間の予約も可能です。
展覧会コンセプトの実現と混雑回避のため、皆様のご協力をお願い申し上げます。

 

※2.本展につきましては、新型コロナウィルス感染拡大状況によっては会期等が変更になる可能性がございます。 最新情報は弊社ギャラリーウェブサイト、各SNSにて 随時配信して参りますので、そちらをあわせてご確認頂けましたら幸いです。なにとぞよろしくお願いいたします。

 

※本展に関するお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。

ARTDYNE(担当:三木)
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 211号室
営業時間:木金土日 12-19時
定休日:月火水 (企画展によって変更有)
Tel:03-6284-4458 Email:hiroko.miki@art-dyne.com
Web:www.art-dyne.com
Facebook:https://www.facebook.com/ARTDYNE
Twitter:https://twitter.com/artdyne
Instagram:https://www.instagram.com/galleryartdyne/

作家略歴

馬嘉豪(MA JIAHAO)

略歴

1996

生まれ、中華人民共和国・西安出身

2015

来日

2016

多摩美術大学油絵学科入学

2020

多摩美術大学油絵学科卒業

現在、埼玉県にて制作

個展

2020

個展「燎」 (TAV GALLERY)

2018

初個展「霾 (PM2.5)」(TAV GALLERY)

グループ展

2021

「你は何しに여기へ? 」(TAKU SOMETANI GALLERY)

2020

東京五美大展(新国立美術館)

2019

mid core グループ展(TAV GALLERY)


受賞歴

2020

福沢一郎賞入賞

2019

第22回岡本太郎現代芸術賞入選

2017

第4回 CAF賞入選

 

アーティスト・ステートメント

昨年から世界はナーバスで内巻きの精神状態に陥り、さらなる他者との戦いを毎日繰り返している。
「人より優秀でいたい」と思う瞬間は誰にでもある。そこまで頑張らなくても良いのに、他者と自分を比較して「勝ちたい」気持ちが人を競わせる。他人の頑張る姿を見て焦り、もっともっと頑張らねばという強迫観念にどんどんと染まっていく。「競争」の渦はみるみる大きくなり、やがて社会全体が巻き込まれる。歴史的に見ても「勝ちたい」気持ちから生まれた不安と危機感をないまぜにした激しい競争が高じた結果、人間は戦争への道を進んできた史実がある。
政治、経済、戦争、そしてそこに存在する「競争社会」。このような概念は人間の集合体の上に存在する。私の作品は個人と集合体の間の問題を提起している。
本展はこのような社会と個人と集合体の関係性を可視化する。展示会場の全ての壁には小さな人形の模型を展示し、中心に「集合体」を表す作品を置き、ひとつの「社会」を構成する。個々の作品はそれぞれの問題を抱えながら競争を始め、いつか会場全体が仮想「競争社会」と化していく。
なお、「内巻き社会=Involution society」を表現するため、入場は一回につき1人に制限する。次の観客がいた場合、鑑賞時間は5分とする。再入場は可能。

馬 嘉豪