ひとりとひとりの間に
2022.02.19 – 2022.03.06
古川諒子・辻響己
この度、ARTDYNEは2022年2月19日(土)から3月6日(日)まで古川諒子・辻響己2人展「ひとりとひとりの間に」を開催いたします。
1994年生まれの古川は、主に綿布にアクリルという素材を使って制作を行っています。下地を塗らずに絵具を綿布に染み込ませるという技法によりキャンバスと絵具が一体化した画面は、それを凝視するものに、眩暈のような感覚をもたらします。表面の滲みの跡や絵具や綿布のざらつきから来る独特の物質感は、絵画の中だけの物語では終わらない、何らかの「外部(他者)」を静かに示唆します。一方、1997年生まれの辻響己は、石粉粘土で作成した人型を麻布で覆い、そこにペインティングを施すことで絵画の延長上としての立体作品を制作しています。布(聖骸布的な役割を果たしている)に包まれた人型は、実体としての中身が見えないがための霊のような不穏感を醸し出し、存在というものの不確かさを感じさせます。2人に共通するものは、「描くもの」と「描かれたもの」、すなわち「支持体」と「被支持体」の関係性への興味です。
今展にて、古川は新作12点、辻は近作、ドローイングを含めた7点を展示いたします。どうぞこの機会にぜひご高覧、ご高評いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
古川諒子|Ryoko FURUKAWA
「コントロールできなくなります」2022年 455mm × 380mm 綿布、アクリル絵具
1994
兵庫県生まれ
2020
広島市立大学芸術学部 油絵専攻 卒業
現在、広島市立大学大学院 芸術学研究科博士前期課程 在学
個展
2021
記憶のないカウボーイは庭にいる(ギャラリーG)
私の知るX夫妻について(gallery RYO/東京)
2020
しらない土地のしらない人々(広島芸術センター)
2019
顔のないゆうれい(本と自由)
滞在制作
2021
ニュー・リアリティ(アートギャラリーミヤウチ/広島)
グループ展
2021
佐藤国際文化育英財団 第25回奨学生美術展(佐藤美術館/東京)
Breath 日常の小休止(広島市立大学芸術資料館/広島)
SLANGS (WHAT CAFÉ/東京)
Azure Hiroshima Base オープニング記念展示 (Azure Hiroshima Base/広島)
2020
贈ろう、アート(ギャラリーG/広島)
第23回広島市立大学卒業・修了作品展(広島市現代美術館・広島市立大学/広島)
2019
すがたなき森(広島芸術センター/広島)
1km以内の人物画(Atmosphere)
版画部展(横川創苑)
まなざし 広島市立大学油絵専攻プレ卒展(合人社ウェンディひと・まちプラザ)
2018
野呂山油彩画展(野呂山芸術村)
助成
公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第30回奨学生
辻 響己 | Hibiki Tsuji
「Peeled off and covered painting 5」2020 694×214×186mm 麻布 石粉粘土 アクリル絵具
1997
三重県生まれ
2020
東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻 卒業
現在、東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域 在学中
個展
2019
remain (room412/東京
グループ展
2022
ZOKEI展(東京造形大学/東京)
2021
「体の空間と引力」展(ZOKEIギャラリー/東京)
2020
東京五美術大学連合卒業・終了制作展(国立新美術館/東京)
2020
ZOKEI展(東京造形大学/東京)
2019
はらのむし(ZOKEIギャラリー/東京)
2018
ing (csキャラリー/東京)
受賞
2022
ZOKEI賞 ノミネート
2020
ZOKEI賞 受賞
2018
Liqtex THE CHALLENGE 入賞