杉田万智個展

BORDER

杉田万智個展「BORDER」

2025.01.10 – 2025.01.26

12:00-19:00 月・火・水 休廊

杉田万智個展「BORDER」

杉田万智「Border No.14」2024年 1120×1455mm キャンバスに油彩 

この度、ARTDYNEは杉田万智の弊廊における3回目の個展、「BORDER」を開催いたします。

杉田は夜明け前や日没時の群青色に沈む情景と鮮やかなネオン看板を組み合わせ、民族問題・人権問題への言説や警鐘を込めた作品を一貫して制作しています。特徴的な色彩の鮮やかな対比に加え、白く輝く縁取りを重ねることによって、より重層的でミステリアスな画面を獲得した作品は、多くのファンを惹き付けてやみません。

今回の個展では、以前から継続的に発表を続けている「境界」にまつわる事柄に焦点をあてた展示を試みます。軽やかに国境を越える渡り鳥、涼し気に大地を駆け抜ける日本最西端に存在する与那国馬などが、「BORDER」をものともせず突破していくモチーフの象徴として描かれます。

今展では100号の大作を含む新作6点と、杉田が初めて発表する写真作品5点で構成されます。この機会にどうぞご高覧、ご高評いただければ幸いです。

 

【アーティスト・ステートメント】
「BORDER」は自然的国境である海に囲まれた島国の“境界線”の在り方と、場所の“境界”を示すシンボルである看板を合わせたシリーズだ。人間が作り出した境界線と国境、歴史の壁を最も容易く越える存在である渡り鳥はどこか神秘的な光を纏っている。

私が何故これほど日本の民族や人権問題を意識しているのか、不明瞭な自分自身の立ち位置に疑問を抱きながらも目の前のキャンバスや風景と向き合う日々。ある日、民族や人権に向いた私の意識が鏡のように跳ね返り、自分自身のマイノリティさを見つめていたことに気付かされた。そして核心を突かれたような腑に落ちたような、作品と作家を結びつける切り離せない脆く細く切ない糸を感じて私は少し強くなれた。

この「BORDER」は土地を隔てる意味のみならず、日常で誰しもが抱える“境界”にも該当する。
私たちは無意識的に境界上を行き来しながら生きている。


【写真作品に寄せて】
BORDER作品を制作するにあたり、少しずつ“端”へ出向かうことを決めた。

ロシアや国後島から漂流する流氷や霧で微かに浮かび上がるサハリン島のシルエット、光を纏う渡り鳥の群れを眺めた記憶。凍てつく空気と吐息に命を噛み締めて、自分が立つ場所と他国との密接な距離を強く実感した瞬間。
与那国馬に会いにひたすら東へペダルを漕いだ日、怖いくらいに綺麗な群青と強い日差しに反射する献花と落ちる花弁。

自分の眼に映し出された現実の数々の風景がBORDER作品を作品を支えてくれる。

杉田万智

 


 

【作品販売について】
杉田万智作品の販売につきましては、2025年1月14日(火)までお申込制として受付いたします。
未売作品があれば1月15日(水)以降、先着順にギャラリーにて販売いたします。
(メールでのお申し込みの際は、作品のナンバー、タイトル、販売価格をご記載の上ご返信ください。)

【販売時の注意事項】

・お申し込みは複数のご希望を受け付けます。優先順位を付けてお申し込みください。
・複数作品が当選する可能性がございますので、確実にコレクションいただける作品のみご応募ください。
・ギャラリーから購入確定の通知が届いた時点で正式に購入決定となります。購入確定のお知らせは随時メールにてご連絡いたします。尚、不当選の場合はご案内致しませんのでご了承下さい。
・お申込み作品の購入決定から7日以内にお振込みでのご入金をお願い致します。
・購入決定後のキャンセルはできませんのでご注意下さい。
・作品は宅配便での着払いか、ギャラリーでのお渡しとなります。お渡し時期は会期後2〜3週間ほどを目処に、ご用意が出来次第メールでご連絡いたします。
・購入権の譲渡及び転売目的の購入はご遠慮ください。作品転売の禁止期間はお引渡し時点から3年間とさせていただきます。万一、禁止期間内の転売の事実が判明した場合、以降のご購入をお断りすることがございます。

ご理解、ご協力のほどよろしくお願い致します。

作家略歴

杉田万智|Machi Sugita

2000年

埼玉県生まれ

2020年

女子美術短期大学部美術コース卒業

2022年

女子美術短期大学部研究生卒業(学士)

個展

2024年 

「流れ鳥」(GALLERY ROOM A)
「光る星」(西武渋谷店)

2023年

「Dignity and Light」(Contemporary Tokyo)

2022年

「First Light」(ARTDYNE)

主なグループ展

2024年

「Draw Lines & Shapes in My Maps」(T&Y Gallery ,Los Angeles)

2023年

「grid2」(biscuit gallery)

2022年

「Artificial Phenomenon」(AMEX Centurion Lounge, Regent Hotel/Taipei)
「nine colors XVI」(西武渋谷店/東京)

2021年

「JOSHIBISION」(東京都美術館/東京)
「nine colors XV」(西武渋谷店/東京)
「New Age」(UP SIDE DOWN Gallery/東京)
「nine colors XV」(阪急うめだ店/大阪)

2020年

第7回「未来展」-日動画廊 美術大学学生支援プログラム-(日動画廊/東京)
「Women Artists Collection『私』」(森の美術館・千葉)
「シブヤスタイル vol.14」(西武渋谷店/東京)、他

受賞歴

2022年

第8回「未来展」-日動画廊 美術大学学生支援プログラム-特別賞受賞

2021年

第7回「未来展」-日動画廊 美術大学学生支援プログラム- 準グランプリ・特別賞受賞

2020年

「女子美術短期大学部2019年度卒業制作展」卒業制作賞受賞、他